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ベトナムの教育事情 – 子どもたちへの教育に未来を託す親たち

Column 05.07.2021

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沖縄海邦銀行 かいぎんエコマガ vol.161 2018年 8月号掲載


ベトナムは今、食べることに必死だった時代から、子どもへの教育投資時代へと変化しつつある。これからのベトナム社会を作っていく子どもたちに期待されることは何だろうか。


1. 親より忙しい小学生

公文・水泳・絵画・英会話など、最近の小学生は数多くの習い事をしている。これは日本の話ではなく、ベトナムの小学生の話である。
知り合いの30代のベトナム人女性の家庭は、平均よりも若干裕福ではあるが、子ども1人にかけている学費は毎月約2万円。公立小学校でかかる費用が1万2000円で、残
りの8000円は習い事にあてている。小学校1年生の息子は、3つ(英語・絵画・パソコン)の習い事をしており、そのうち英語は週3回も通っているというのだから、かなり語学に力を入れていると言えるだろう。
所得水準によって子どもにかける教育費はさまざまであるが、周囲を見ていると、世帯所得の10~20%が教育費であり、以前よりも間違いなくベトナムの教育熱は上昇している
といえる。「どうしてあなたの子どもはたくさん習い事をしているの?」
という私の質問に対して、彼女は「子どもがどんな仕事にでも就けるよう、いろいろやらせたい。自分たちが病気になったとしても、子どもが立派なら大丈夫だから」と答えてくれた。
ベトナムでは核家族よりも、祖父母も一緒に住んでいる家庭が多い。また、親の面倒は子どもが見るというのが当たり前の社会なので、子どもが稼ぐ力を持てるかどうかが、親に
とって老後の死活問題といえるのだ。かつて、ベトナムの郊外の一般的な家庭では、一家に1人は稼ぎ頭がいた。その稼ぎ頭は、親、兄弟、親戚からお金をかき集め、バイク1台を購入し、都市部まで移動して、お金を稼いで帰ってくるという役目があった。しかし、そうした稼ぎ方のスタイルは終わりつつある。
現在は、バイク代をかき集めて、食べることに必死だった時代から一変して、子どもが学校に行けるよう親戚中からお金を集め、教育へ投資する時代へと変化している。すなわち、高い知識を持つことが、豊かな家庭を築くということであろう

 

2.語学教育の重要性

そうした視点でみると、語学の習い事は、特に収入に結びつきやすいといえる。ベトナムには多くの外資系企業が進出しているが、外資系企業は現地の企業よりも給与水準が高い。こうした外資系企業で働くには語学力がとても重要と
なってくるためだ。ちなみに、最も人気のある言語は英語で、日本語はそれに次ぐ人気となっている。
語学は一朝一夕で身につくものではなく、日々の習慣によって磨かれていく。それを子どものうちから習慣とすることが出来れば、将来は1つのツールとして必ず役に立つだろう。

 

3.豊かな未来を求めて

ベトナムの親達は、たとえ裕福な家庭でなくても、子どもへの教育がどれほど大事か既に気付いており、未来への投資を少しずつスタートしている。自分たちが経験した貧しさからの脱却の手段として、子どもの教育に力を入れているようにさえ感じる。
熱心な教育によって、いずれ日本が諸外国に追いつかれてしまう日も近いかもしれない。

 

 

引用:  vol.161 2018年 8月号 —かいぎんエコマガ
海邦総研が企画編集し沖縄海邦銀行が月1回発行し、
沖縄の経済と経営を分かりやすく伝える「かいぎんエコマガ」
執筆者: 金城緑
企画編集:海邦総研

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